『笑いは百薬の長』『笑いはゆとりと活気を生むストレスの良薬』と言われるとおり、“笑う”ことで私たちの心と体は元気になります。
この事実は、多くの科学者や、数々の笑いをつくっているお笑い芸人たちによって明らかにされてきました。
今回は、そんな科学者や芸人さんの話を参考に、なぜ笑うことは健康に良いのか?人はどんなときに、どうして笑うのか?という笑いの原理をひも解いていきたいと思います。
目次
1:笑いが健康に良い理由
2:笑いのツボ『緊張の緩和』
人を笑顔にして、自分も笑顔に(^^)そんな毎日を送るヒントになれば幸いです。
笑いが健康に良い理由
笑ったら、元気がでた。気分が晴れた。そんな経験ありますよね?
冒頭で述べたとおり、さまざまな研究の結果、笑うことは健康に良いということがわかっています。
- 血行促進
- 脳の活性化
- 鎮静作用と幸福感
- 免疫力の向上
- 自律神経を整える
それぞれ解説していきますね。
血行促進
「腹を抱えて笑う」「笑いすぎてお腹いたい!」そんな表現がよく使われますが、実際、人が笑うときの呼吸は、腹式呼吸と同じような効果があると言われています。体内に多くの酸素を取り入れることで、血行が良くなり、新陳代謝が活発になります。
脳の活性化
合理的で分析的な思考や言語機能をつかさどっている大脳新皮質(だいのうしんひしつ)に酸素、血液がめぐることで脳の働きが活性化されます。また、笑うことで脳波のアルファ波が多くなり、リラックス状態になります。
つまり、リラックス状態で、合理的な思考・判断ができるようになるわけです。
鎮静作用と幸福感
笑うと「脳内麻薬」とも呼ばれるエンドルフィンが分泌されます。このエンドルフィンは、鎮痛、鎮静効果のあるモルヒネと同様の作用があり、それと同時に幸福感をもたらす、と考えられています。
免疫力の向上
健康な人の体にも1日3,000〜5,000個のがん細胞が発生しています。このがん細胞や体に悪いウィルスをやっつけているのがNK(ナチュラルキラー)細胞。不快なストレスなどを受け続けると、NK細胞の働きが弱まり、がんなどの病気にかかりやすくなってしまいますが、笑うことで、NK細胞を活性化するペプチドがつくられ、免疫力の向上につながります。
自律神経を整える
このあと詳しく解説しますが、笑いは『緊張と緩和』によって生まれています。
緊張(交感神経優位な)状態と、緩和(副交感神経優位な)状態が、テンポよく振り子のように行ったり来たりすることで、自律神経のバランスが整います。
このように“笑い”は、私たちの健康に大きな影響を及ぼしていることがわかっています。
笑うと気分さっぱり。
そんな『健康の万能薬』とも言える“笑い”ですが、実際、どうすれば笑いを生むことができるのでしょう?気になりますよね。
笑いのツボ『緊張の緩和』
笑いの基本(押さえるツボ)は、落語家 桂枝雀(かつらしじゃく)さんの『緊張の緩和』理論が有名で、お笑い芸人のさんまさん、松本人志さんなども「笑い(の基本)は緊張の緩和だ」と言っています。
出典:YouTube『緊張の緩和理論』
この理論の中では、そもそも笑いには種類や段階があること。
その他にも、笑いの分類や、笑い話のオチ(構成)の種類について、詳しく語られています。興味がある方は上の動画をご覧いただければと思いますが、一言でいうと…
人は、適度な緊張状態から緩和されることで笑います。
『いないいないばぁ』で赤ちゃんが笑うのは、「いないいない…」で顔を隠すことで、赤ちゃんは(えっ!なになに〜なにがおこるの?)と緊張状態になって、その後で「ばぁ」とママの顔がでてきたことで(ママだ〜)と安心(緊張が緩和されて)笑っています。
ただ、緊張状態が強過ぎるときは、いわゆる「笑えない」「笑い事じゃない」状態。たとえば、お葬式の席で、ふざける。これは笑いにはなりませんよね。
また、『いないいないばぁ』で、仮にまったく知らない人が出てきたときに、赤ちゃんが笑わない、泣き出してしまうのは、緊張→緊張だからです。
大事なのは適度な緊張感からの緩和で…
適度な緊張感→緩和→笑い
基本的にはこの流れで笑いが生まれています。つまり、適度な緊張感をつくって、それを緩和させることで、人を笑わせることができる。というわけですね。
これは、芸人さんでいうところの「フリ→オチ→笑い」ですが、なにもお笑いの世界に限った話ではありません。当サロンでも『お客さまに笑顔で帰ってもらう』を合い言葉に各セラピストが施術していますが、疲れて固まった(緊張状態の)心や体をほぐす(緩和させる)ことで、笑顔にすることができます。
身近なところでいうと、
・子供にちょっと難しい問題を出す(謎)→答えさせる(解明)
・後輩にちょっと高い目標の仕事をふる(緊張・不安)→やりとげる、やったー(達成感)
・真面目な顔、トーンで(緊張)→ちょっと変なことをする。面白い話をする(緩和)
などなど、日常生活で活かせる場面も多そうです。
適度な緊張感をつくって緩和させる。
笑顔にしたい人がいるときに、ぜひいろんな場面で試してみてください。
ちなみに、自分の緊張を緩和させたいとき、緊張状態が強過ぎて笑えない。そんなときは、掌の真ん中にある「労宮(ろうきゅう)」というツボを、ゆっくり息を吐きながら押してみてください。
緊張を緩和する笑いのツボです。
まとめ
笑いは、心と体の健康に良いです。なにより、自分もまわりの人も笑顔だったら、やっぱり嬉しいですよね。
そんな笑いを生む方法が『緊張の緩和』です。
子供が1日平均4,000回笑うのに対して、大人になると1日平均15回しか笑っていない。というちょっと悲しいデータもありますが、笑いのツボ『緊張の緩和』を押さえて、たくさん笑える時間を過ごしていけると良いですね。
それでは!